自分のことが一番よく分からない処方箋
自分のことが一番よく分からないと思うことが度々ある。自分以外の相手の方がよく分かると思ってきた。
これに関してヒントになる言葉を見つけたのでメモをする。
君が自分を知りたいときも、直接には君自身を知ることはできないのです。直接自分を知るなんて、そんなのは空想ではないかな。
自己反省などと言うが、そのとき君自身はどこにいるのですか。君自身を反省するとは、君の子供のときのことを考えることだ。
子供の自分は他人ですよ、歴史的事実ですよ。それは君の歴史かもしれないけれども、現在の君ではない。
もう過ぎ去った歴史的事件です。だから、君の子供時代を振り返ると、君のことがわかってくる。
「学生との対話」小林秀雄 P103