一般質問
生成AIを学校に取り入れた理由
導入の背景
守谷市は国のGIGAスクール構想より前からデジタル教育に取り組み、今ではタブレットが子供たちの文房具になっています。その基盤の上に、生成AIを学校教育に取り入れる新たな段階へ進みました。導入の背景をお聞かせください。
先行きの不透明さが増す世界情勢の中、生成AIにつきましては、急速な発展をしております。GIGAスクール構想により、1人1台端末やクラウド環境等のデジタル学習基盤の充実は、児童生徒の興味、関心に応じた学びを充実発展させるために今や欠かせないツールとなっております。
文科省は、生成AIの活用につきましては、児童の批判的思考力や創造性への影響、個人情報や著作権等の関係などについて再整理が必要であることから、令和6年12月、初等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドラインを示しました。本市におきましては、国に先駆けて、有識者や関係機関とともに市独自の生成AIの授業や校務における活用に向けたガイドラインの検討を重ね、安全かつ効果的な生成AIの活用を推進するための環境整備を整えてまいりました。生成AIを適切に活用することで、児童生徒一人一人の学習の質を高めるとともに、教職員の業務効率化、ひいては、働き方改革に大きく貢献することを目指しております。
授業と先生の仕事での生成AIの使い方
具体的な活用計画
7月31日付の茨城新聞に、黒内小学校の児童が生成AIでごみ分別のチラシを作り市に提案する、という記事が載っていました。まさに生成AIを活用した授業だと思います。生成AIを授業や先生方の校務にどう活用していく計画か、お聞かせください。
今、議員から紹介していただきました、その実践に携わった者として、その一端を紹介させていただきます。6月、私は不燃ごみの新ルールに戸惑い、その分別がうまくいかず家族から叱られておりました。さらに、常総広域の広報を読んでその切迫感も感じておりました。そこで、黒内小学校のICT担当に連絡をしました。子供たちが真剣に探求するテーマとしてどうなんだろうか。子供のエージェンシーとか、知恵を借りられないか、そんな相談をしました。
その後の6年生の担任の先生の指導は本当に見事で、この広報紙を教室にさりげなく置くというところから始めていました。子供たちの反応があったんですね。何人かの子供たちがそれに気づいて、課題意識が芽生えたときに、学級全員に問いかけました。その結果が、「常総環境センターを救え、みんなが守谷市職員だったらできることは何だろう」、その課題を全員で共有したわけであります。
今夏休みが明けまして、子供たちはまとめ表現のプロセスに入っております。例えば、子供でも分かる分別のフローづくり、動画、ポスター、チラシ、さらには、鉄道のラッピングをしての啓発、その関連企業へのプレゼンの準備などに余念がない状況です。
黒内小学校の5年生の国語の時間では、解説文を書く授業で子供たちがどのような文章であれば読み手に伝わる文章になるのかをAIに入力して推敲するという活用をしております。また、6年生を送る会に向けて在校生が感謝の思いを込めたオリジナルソングを作る際に、生成AIを活用しましたが、守谷市が一歩先に進んでいるのは、生成AIが出したものをそのまま使うのではなく、自分たちで再検討して最終的にオリジナルの歌を作ったところです。
校務においては先生方も、文章作成や授業に向けた教材研究などで積極的に活用する先生が増え始めました。今年度は市内の小中学校に広げることができるよう、生成AI活用推進プロジェクトチームを発足させ、各中学校区で活用を展開しております。
先生たちが生成AIを学んだ研修会
研修会の背景と成果
この夏休みの教員向け生成AI活用研修会には、市内の先生方が約250名を超えて参加されたと伺っています。研修会を実施した背景と、参加された先生方からどのような声があったのか、総括があればお聞かせください。
今年度当初、守谷市内では教育活動における生成AI活用状況についてアンケート調査を行い、学校間の利用において格差が見られるという実態が明らかになりました。活用をパイロット校だけではなく全校へ展開するために学校DXアドバイザーを招聘し、市内の小中学校教職員を対象に開催しました。
参加者からは、生成AIには期待される効果と課題の両面があることを理解した上で活用することが大切などの声が多数寄せられました。本研修を機に、市内の教職員は生成AIを積極的にかつ効果的に活用し始めております。例えば、生成AIを校務支援ツールとして日常に活用するのはもちろん、生成AIを活用して授業で使用するアプリケーションを自ら開発する先生も出始めました。
守谷のICT教育が目指すもの
保護者の懸念とICT教育の本質
端末の長時間利用による健康への影響や、かえって思考力が低下するのではないかという懸念が、たびたび報じられています。
そのたびに保護者が不安を抱くのは自然なことです。ICT教育の先頭を走る守谷市だからこそ、目指す教育の道筋を保護者に丁寧に説明していくべきだと考えます。改めて守谷市のICT教育の本質、位置づけをお聞かせください。
保護者の皆様方からは、長時間利用による健康への影響や思考力の低下といった懸念があることも承知しており、十分深く受け止めているところでございます。文部科学省が示すGIGAスクール構想の実現は、教育環境の整備にとどまることなく、Society5.0時代を生き抜く子供たちに必要な生きる力を育むため、個別最適な学びと創造性を育む協働的な学びを実現することが本質であります。
守谷市が目指すICT教育において、ICT教育環境や生成AIなどを含むアプリやツールは、あくまでも子供たちの学びを豊かにするための手段であると捉えております。ICTを活用することで、子供たちが自ら問いを立て、探求し、他者と協働しながら未来を創造する力を育んでいくことこそ、本市が目指すICT教育の本質であると考えます。今後も保護者の皆様の理解を深めていただけるよう、保護者向けの生成AI講演会などの開催も企画してまいります。
ICT教育のバランスと羅針盤
考える力という根が育っているかどうか、本当の成果が分かるのは5年後、10年後かもしれません。数値化という明確な地図がない中で、何を羅針盤として生成AIも含めたICT教育のバランスを取っていくのか、今後の方向性をお聞かせください。
本市が目指すICT教育の方向性は、未来の教育守谷ビジョン2025にもお示ししたとおり、自立した学習者の育成と、守谷型情報活用能力育成プログラムに基づく情報活用教育の2点です。特に守谷型情報活用能力育成プログラムにおきましては、児童生徒の学びの姿を多角的に捉えることを重視しています。
具体的には、学習到達度を測る従来のテストに加え、ICTを活用した探究活動のプロセスや協働的な学びにおける子供たちの対話の内容、課題解決へのアプローチ方法など、非認知能力に関わる部分を評価に取り入れております。数値化という明確な地図がない中で、羅針盤となるのは子供たちの学びに向かう力が育まれているかどうかという視点です。教職員の経験や専門的知見に加え、保護者の皆様方からの御意見や御協力もいただきながら、多角的な視点から評価と改善を往還させてまいりたいと考えております。
子どもたちが語った未来の学校
イベントの企画と子供たちの提案
8月26日の「市長と語ろう!未来のもりやウェルビーイングミーティング」で、市内の児童生徒と市長、教育長が「私たちの考える未来の学校」をテーマに話し合いました。このイベントを企画したきっかけと、当日の子供たちの様子、どのような提案発表があったのかをお聞かせください。
当日は、未来のもりやウェルビーイングデイと銘打ちまして、第一部で先生方をねぎらい、第2部で子供たちから話を聞き傾聴し、第3部で学校のウェルビーイングを考えるという、3部制の教育の集いとして初めて実施をいたしました。来年度以降も継続をしてまいります。
代表児童生徒の発表内容は、交流体験、専門家からの学び、生徒主体の時間割や行事、デジタル・AI活用、気候変動・SDGs対策、多様性個性尊重、施設の充実にまで及んでおり、その視野の広さに驚かされております。何より感動したのは、自分たちの学びと生活の充実だけではなく先生方の負担軽減をも配慮していること、その守谷の子供たちの英知とその思慮深さに感服いたしました。
早速、校長会で子供たちの提案内容の整理をお願いし、自校だけで実現できるのか、市内の学校で連携すればできるのか、行政との連携の有無などを整理していくと、実は半分ぐらいは学校の裁量で実現可能であることも分かりました。
所感
私もこのミーティングに参加して、たくさんの学びがありました。子供たちの発表の第2部から、澤田真由美先生の講演の第3部に移った瞬間、先生方の空気が一変しました。何かを吸収しようと真剣に聞き入る200人以上の先生たちの姿に、守谷の先生方はこういう方たちなのかと大変感動いたしました。
教育長と市長が描くこれからの学校
教育長のビジョン
教育長には、守谷のこれからの教育や学校現場をよりよくするアイデアがたくさんおありだと思います。教育長がお考えになる未来の守谷の学校についてお聞かせください。
私は持続可能なウェルビーイングな学校づくりを、子供参加の教育改革でつくり上げていきたいと考えています。有識者の澤田先生は教育改革を樹木に例えてくれました。既に守谷は、見える部分としての教育環境は全国有数であり、これからは見えない部分の充実を目指すという極めて高いレベルの町ですよとお話しいただきました。見えない部分とは、学校の組織風土、先生方の雰囲気・モチベーション、子供たちや先生の心理的な安全性、先生の指導技術など、先生方の自助・共助による割合が大きい部分です。
短期計画としては、週3日以上の5時間授業を維持しながら夏休み期間の延長を検討し始めています。中期計画としては、不登校、発達障がい、特異な才能を持つお子さんなど、そうした子供たちをも包摂できる新しい学びの場を守谷の教育資源の選択肢に増やしていきたいと考えています。子供が学校に合わせるのではなく、学校が子供に合わせる、そうした新しい学びの場について具体的な研究もスタートさせたところです。長期計画としては、ミーティングを継続しながら、子供たちの思いや願いを学校と一緒に分析的に蓄積し、教育活動に反映させる。子供参加の教育改革にこだわって、未来の学校づくりを進めてまいります。
私は政治、なかんずく政治というのはやはり未来づくりであるという思いがありますし、未来づくりイコール子供づくりだというのが私の政治の根本的な信条でもあります。私は本当に人に恵まれ、前の町田教育長、そして今の奈幡教育長、非常に子供たちを強く愛して、子供たちの未来を考えてくれている。守谷の教育は日本一だと思いますし、今ここにいる子供たちがそれぞれの人生を豊かに生きられる、その術の一部分を小中学校という義務教育の中で身につけていただけるんだろうと思います。
子供たちは天才です。皆さんは本当に自由な中で、自由な発想で、未来を切り開いていく能力を持っているということをしっかりと自信を持って考えてもらいたいなと思います。前の教育長、今の教育長、それを取り巻く教員の皆様に恵まれて、ハード面のサポートは何でもしてやるよということで今までやってまいりました。
所感
最後に、教育委員会の皆様へメッセージをお送りします。
もっと語ろう、もっと聞こう、児童生徒保護者の声、求めるのは、学ぶ力と生きる力、守谷の教育を何よりみんなで。