さねよし

令和8年3月議会

一般質問

自治基本条例づくりと、無作為に選ばれた市民の会議

さねよし

無作為抽出市民ミーティングについて

一つ目のテーマは(仮称)守谷市自治基本条例です。条例づくりのミーティングは全5回行われ、最後の第5回は無作為に選んだ市民に集まってもらう手法で、これまでの守谷市に例がなかったと思います。

そこで伺います。無作為に選んだ市民何名に案内状を送り、参加すると返信をくれたのは何名でしたか。当日参加した方の年齢層や居住地、感想もお聞かせください。

市長公室長

まずは、母子ともに健康でお生まれになったとのことで、改めましておめでとうございます。

今回は市内にお住まいの16歳以上の市民から無作為に抽出した3,000人にご案内をさせていただきました。

先着順として60名の定員に設定し、QRコードを使って申込受付をしたところ、嬉しいことに1週間で定員に達しました。60名に達した時点で締め切りましたが、その後も担当課へ問い合わせがあったとのことで、定員を増やしていればさらに多くの申し込みがあったと受け止めております。案内から実際の開催まで約1か月あったことも影響したと思いますが、当日の実参加人数は33名(お子様を含めると32名)でした。

参加者の年齢層と居住地域のバランスについて回答いたします。

まず年齢層は、10代が1名、20代が3名、30代が4名、40代が5名、50代が4名、60代が7名、70代が8名です。市の全体の年代構成と比較しますと、50代の参加者が若干少なく、60代、70代の参加者が多い傾向が見られました。

居住地域は、大野地区が1名、大井沢地区が1名、守谷地区が14名、高野地区が5名、北守谷地区が7名、みずき野地区が4名でした。守谷地区のひがし野や、みずき野地区からの参加者が多い状況でした。

無作為に選ぶやり方を、これからのまちづくりに生かす

さねよし

市民参加手法の意義とデジタル技術の活用について

3,000人に案内状を送り、定員60名を上回る申し込みがあったことに驚きました。無作為に選ぶやり方は、これまでまちづくりに関わってこなかった市民が参加する機会になります。意見の整理などをデジタルやAIが補助できるようになり、運営の負担も軽くなりつつあります。

そこで伺います。この無作為抽出の手法を、審議会などへの応用も含め、これからのまちづくりにどう生かすお考えかお聞かせください。

市長公室長

これまでは、どちらかといえば公募制(やりたい人が手を挙げる手法)や、団体に推薦依頼を出す手法が主に取られてきました。今回の無作為で3,000人を抽出する手法はこれらと異なり、統計的な手法で選ばれた「普通の感覚をお持ちの市民」に参加いただくことができます。特定の利害関係者やいつものメンバーだけでなく、若者から子育て世代、現役世代、高齢者まで幅広い方々に参加いただくことで、従来の会議では出てこなかった層の意見を聞くことができ、その可能性は非常に高まると認識しております。

そして、参加した市民の方々が市政やまちづくりを自分事として捉えるきっかけになり、市への誇りや愛着、シビックプライドにつながることで、まちづくりが良い方向に向かうと考えております。

一方で、実際にどれだけ参加してくれるかという不安は我々にもあります。また、案件によっては専門的な知識の差がどうしても出てくるため、判断材料となる資料を準備し、丁寧に支援していかないと、議論を一定のレベルに進めるのに相当な時間がかかることも想定されます。

しかし、今回のミーティングでは、これまでまちづくりに関わることが少なかった多くの方々にご参加いただき、その後の勉強会にも継続して参加していただいている状況です。これは非常に有効な手段だと感じとめており、今後も継続していきたいと考えております。

審議会を見直して、市民参加と組み合わせる

さねよし

審議会の整理と無作為抽出の組み合わせについて

このテーマの最後は松丸市長に伺います。審議会の運営には行政側の相当な人手が必要だと、傍聴するたびに感じています。

守谷市の審議会や委員会のあり方を一度整理し、従来の審議会だけに頼らず、今回のような無作為抽出の市民参加を組み合わせた新しいまちづくりの形に、守谷市が先行して取り組んではどうかと考えます。市長のお考えをお聞かせください。

松丸市長

私も実好議員と同感です。

10年前、私が議長を務めていた当時、ほとんどの審議会に議員が参加していました。しかし、二元代表制としての議会はどうあるべきかを考えた際、案を作成する側でありながら審査も行うという二重の役割を議員が担うべきではないと判断し、法的に必要なもの以外は審議会への議員参加を取りやめた経緯があります。その代わり、情報をいち早く議員の皆様に伝えるため、月1回の全員協議会や執行部説明会を制度化しました。

あれから10年がたち、デジタル化が進む現在においては、多様な意見を吸い上げる新たな手法ができつつあると感じています。特に守谷市にはスーパーアプリ『Morinfo(モリンフォ)』があり、アンケート機能も搭載しています。このようにアンケート機能を使って市民の意見を吸い上げていく手法が拡充されれば、審議会の一定の役割は終息していくのではないかと考えております。現在、庁内では各部署に対し、審議会のあり方や必要性について検証するよう指示を出しております。廃止する審議会も当然出てくると思いますが、都市計画審議会などの法的な審議会は維持しつつ、プッシュ型の機能を持つアプリを活用して市民の意見を聞いていくことが、行政側としての役割であると考えます。

ただ、これは議会側も注意が必要です。議会も二元代表制として市民から選ばれた代表ですので、その機能を損なうわけにはいきません。直接聞いた市民の意向と、議会が持つ知見との間に齟齬が生じることを私は懸念しています。同じ情報を提供し、同じアンケートを取れば、行政側でも議会側でも同じ結果になると思いますが、行政側だけがその情報や仕組みを持ち、議会側に情報収集能力がないと齟齬が生じ、守谷市の市民の幸せづくりにおける方向性が違ってしまうという不幸な事態を危惧しております。

議会側の議会改革の一環としても、今後は技術的なDXを活用し、市民の皆様との情報を精査できる仕組みについても検討を進めるべきと考えております。

令和8年度に進める、学校教育の新しい取り組み

さねよし

新年度へ向けた学校教育の取り組みについて

二つ目のテーマは教育です。令和8年度の施政方針でも、教育改革の推進が挙げられています。

令和7年9月議会では、守谷の未来の教育について質問し、奈幡教育長から短期・中期・長期の学校づくり計画をご答弁いただきました。新年度という節目にあたり、令和8年度の学校教育の取り組みをお聞かせください。

教育長

令和7年9月議会では未来の守谷の学校についてご質問いただき、市長と子どもたちとのミーティングをご覧になっての感動を伝えていただきました。

当時申し上げた計画を振り返りますと、短期計画として「猛暑対策としての教育課程の改善」、中期計画として「不登校の児童生徒を包摂できる新しい学びの場の設置」、長期計画として「子どもたちの願いを教育活動に反映させる子ども参加の教育改革」を挙げました。これらの計画が令和8年度の学校教育にどのように反映されたか、お答えいたします。

まず、短期計画としての教育課程の改善については、夏休みを5日間延長して安全を確保すること、中学校でプラス1コマの時数を確保して学力向上を図ること、そして生成AIを活用した探究的な学びを充実させることの三つを通じ、「新守谷型カリキュラムマネジメント」をスタートさせます。施政方針では、これを「教育課程のアップデート」と「深い学びの実相」として表現しています。

先週の3月10日には、ごみ問題解決プロジェクトの集大成として、常総線で子どもたちのラッピング列車が走り始めました。2年間一緒に過ごした6年生の笑顔と成長ぶりが印象的でした。学びの対象を教科書だけに限定せず、教員や議会、地域の大人が本気で支援することで、子どもたちは本当に主体的に学ぶのだと実感しました。守谷では、こうした学習が形になり始めています。

従来の「一斉授業」のスタイルだけでは、これからの主体的・対話的で深い学びの実現は困難です。この視点が、中期計画として掲げた「不登校の児童生徒を包摂できる新しい学びの場」につながります。施政方針でも、一元的な義務教育になじまない子がいても不思議ではなく、子どもが喜びにあふれる新たな教育環境を提供したいと示されています。これがまさに「学びの多様化学校」であります。

教育環境をどれだけ整備しても、そこからはこぼれてしまう子どもたちがいます。彼らは優しい心や高い能力を持っています。そうした子どもたちの個性や強みを生かせる授業・活動を展開し、自己肯定感を高められる場を構築したいと考えています。古い授業スタイルから脱却し、先生と生徒が一緒に悩みながら学ぶ新しい教育環境が形になれば、市内13校に笑顔と新しい学びが連鎖していくと考えます。令和8年度は、市内中学校で不登校傾向の生徒に対する学びの保障について、具体的な研究を続けてまいります。

おかげさまで、守谷の教育の取り組みは、国や県、メディアからも高く評価されており、令和7年度は特色ある取り組みが延べ45回以上メディアに掲載されました。英語教育での文部科学省教育課程研究校の指定、不登校対策での茨城県教育委員会研究パイロット校の指定、デジタル教科書での共同研究指定などを受けております。令和8年度はこうした連携、いわば産官学の連携をチャンスと捉え、長期計画である「子ども参加の教育改革」をベースに、学校教育のアップデートを進めてまいります。

デジタル教科書の効果を、大学や企業と調べる

さねよし

実証研究の背景と郷州小学校での公開授業について

もう一つ注目しているのが、守谷市が東京学芸大学や東京書籍、Lentranceと共同で行っている「学習用デジタル教科書の実証研究」です。先月2月12日には、郷州小学校5年2組でデジタル教科書を使った算数の公開授業が行われました。

そこで伺います。この共同プロジェクトに至った背景や目的、郷州小学校での公開授業の様子をお聞かせください。

教育部参事

本市が取り組んでおります学習用デジタル教科書の実証研究は、次世代の教育モデルを構築するための重要なプロジェクトであると考えております。

近年、教育現場におけるICTの活用が急速に進む中、デジタル教科書や教材が子どもたちの学びに及ぼす具体的な効果や影響を、客観的かつ学術的に評価することの重要性が極めて高まっております。本プロジェクトは、令和7年10月から令和9年3月末日までの期間、産官学連携により実施しております。

最大の目的は、本市の小中学校実証研究校においてデジタル教科書を中核としたICTの利用方法や導入効果、評価手法などを学術的に分析することにございます。児童生徒の学習履歴データを保護者同意のもとで収集・解析し、科学的な根拠に基づいた新たな教育モデルを構築して、その成果を広く社会に発信していくことを目指しております。

具体的な実践例として、令和8年2月12日に実証拠点校である郷州小学校で公開授業を実施いたしました。5年2組の算数「帯グラフと円グラフ」の授業において、子どもたちがデジタル教科書を自在に活用する姿が公開されました。デジタルならではの操作性を生かし、グラフの構造を視覚的に捉えたり、自らの考えを即座に表現・共有したりするなど、思考の可視化と対話的な学びが展開されました。郷州小学校、御所ケ丘中学校の両拠点校での実践を通じて、デジタル教科書が算数・数学の深い理解に資することが実証されつつあります。

本市としては、この研究を踏まえ、デジタルとアナログを共存させた学習スタイルを模索してまいります。単に紙の教科書が画面に置き換わるだけでなく、個別のニーズに応じた個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させ、守谷ならではの教育の質的転換を図ってまいります。

学びの多様化学校(分校)をつくる計画

さねよし

アンケート結果と設立背景、想定費用、カリキュラムについて

最後の質問は「学びの多様化学校(分校)」についてです。設立を具体的に検討するきっかけの一つに、令和7年12月に実施した児童生徒・保護者へのアンケートがあると思います。

そこで伺います。アンケートにはどのような回答があったのでしょうか。また、設立時の想定費用や場所、どのような授業内容・カリキュラムを想定しているか、現時点の検討状況をお聞かせください。

教育部参事

現在、本市の不登校児童生徒は増加傾向にあります。令和2年度の128名(小学校39名、中学校89名)から、令和6年度には227名(小学校97名、中学校130名)へと、5年間で約1.8倍に急増しました。特に中学校の不登校出現率は6.08%に達しており、小学校の約2.5倍となっています。市としては、スクールソーシャルワーカーの配置や校内フリースペース、総合教育支援センターの「はばたき」などを通じて居場所を提供してきました。

しかし、昨年12月に実施したアンケートでは、進学や就職を見据えた学習の保障や、個に応じた多様な学びの場を求める声が中学生の保護者から多数寄せられました。生徒からは「勉強を教えてほしい」「個別のペースで勉強したい」「少人数クラスにしてほしい」といった意見があり、保護者からも「個別に学習支援を行ってほしい」「不登校による学習の遅れが不安」との声が寄せられました。現在の支援では学習面のニーズを十分に補完できておらず、学校で学び直したいと願いながらも受け皿がない生徒が市内に存在していることが浮き彫りになりました。

現在、設置場所を含め、想定費用についても検討を進めている段階です。場所については、市内のどこからでも等距離で通えるような位置に設置できればと考えています。子どもたちが通学しやすい環境づくりを最優先に、引き続き検討を重ねてまいります。

学びの多様化学校(分校)は、文部科学大臣の指定により、学習指導要領の基準によらず柔軟な教育課程を編成できます。具体的には、生徒の心理的負担を軽減するため、年間の総授業時数を標準の1,015時間から140時間短縮し、875時間とすることを想定しています。時間割の工夫として、午前中は「チャレンジ学習」として学び直しや検定に取り組み、午後は90分間の「体験・探究活動」を通じて、実社会で生きる力を育みます。これにより、従来の休息を目的とした居場所から一歩進め、学力の保障と社会的自立を両立させる場を構築してまいります。

さねよし

所感

子どもたちに多様な選択肢を用意できないのは、社会の側の課題だと私も考えます。卒業式の日、雨の中で鎖とい(軒先から吊るして雨水を受け流すチェーン)を眺めました。雨水が子どもたちの個性なら、1本の鎖といだけでは形の違う雨水を受け止めきれません。もう1本用意するのが学びの多様化学校だと感じました。すべての市民が安心して暮らし、自分を表現できる地域社会を、議員としてつくっていきます。

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