守谷のまちづくり戦略
自然資源を軸に
私は、守谷市が『選ばれるまち』であり続けるための最も重要な地域資産は『自然資源』であると考えます。 その理由は2つあります。
◯ 1つは、 人間は自然と切り離せない存在であるからです。自然とのつながりを求めることは人間の本能であり本能とは、時代がどれほど変化しても、決して変わることのない普遍的なものです。
◯ 2つは、 社会のデジタル化が進むほど、その反動として、人は自然とのふれあいを強く求めるようになるのではないでしょうか?自然の中で感じる安らぎといった 「目には見えない大切な価値」に気が付き自然の価値が相対的に高まっていくように思えます。また、守谷という地名が、古来より果てしなく広がる森林に由来するという説もあるように、自然は守谷がもつ本来の強みです。
地域資産として再整備
守谷には「野鳥のみち」などの多くの自然スポットがありますが、まだ一部の人しか知らない魅力的な場所もたくさんあります。
先日、SNSを眺めていてハッとさせられる投稿を見つけました。「守谷の良いところ」と題されたその投稿には、ある休日に、TX車両基地の周辺で、虫取り網を手に遊ぶ、 お子さんの楽しそうな姿がありました。
それを見たときに、「こんな風に守谷での日々の暮らしを楽しんでいるんだ」と深く感じ入りました。 それは特別な「お出かけ」 ではなく、日々の暮らしの延長線上にあるような楽しみ方です。
このような日常にある自然を発掘して、公式の自然スポットとあわせて、守谷の地域資産として再整備します。やがて市民に共有されることで、シティプロモーションとなり、市内外に広がる好循環を生み出したいです。そのためには、現在、縦割りになっている担当課を横断し、一体的な整備とブランディングを推進する体制が必要だと考えます。
ゆるぎない交通基盤
この「自然資源」を軸とした、少し大胆とも思える、まちづくりを描けるのは、この戦略を支えることができる強力な地域資産が、すでに守谷にはあるからです。
それは「交通の利便性」です。鉄道では「つくばエクスプレス」 です。また、 東京駅延伸、羽田空港行きが実現すれば、守谷の交通の利便性はますます高まります。道路網においても 「守谷SAスマートIC」の開通があります。
この揺るぎない交通基盤があるからこそ、守谷市は「自然」という普遍的な価値をまちづくりの軸に据えることができるのです。「交通の利便性」という既存の強みをさらに伸ばしつつ、それとは対照的ともいえる「豊かな自然」を最大限に活用する。これが守谷ならではのまちづくりだと思うのです。
きっと、もっと交流
次に推し進めるのは、人と人が交流できるイベントを守谷市内に創出することです。 ここでのイベントとは大規模なものではなく、「町内会+α」規模の住民同士の顔が見えるイベントです。
なぜなら、人は本能的に「誰かと会いたい」「誰かに話したい」と他者とのつながりを求める傾向があるように思います。また、お祭りに行くのも、非日常を楽しむと同時に、「誰かに会えるかもしれない」という期待感が足を運ばせている側面もあると思います。
守谷には 「まちづくり協議会」 があり、「町内会+α」規模の交流イベントがあちらこちらで見られるようになりました。これからも、より活性化させるには「まちづくり協議会」の仕組みをブラッシュアップする必要があるでしょう。
こうした住民同士のつながりは、「防犯に強い」 まちづくりにも繋がります。防犯カメラなどの「テクノロジー」と「地域住民の目」のふたつの目からの見守りが必要です。
結びに
以上をまとめると、
①自然を軸とした住環境の整備
②住民同士の交流機会の創出
③公共交通の充実
そしてそれらを支える「都心へのアクセス」となります。これらは守谷市の住民の誰もが対象となるまちづくりのベースとなる部分です。これらに加えて、世代や属性ごとの福祉向上の方針も、またの機会にお伝えできればと考えています。
守谷駅東口エリア
図書館の窓口が開設
守谷中央図書館は、大規模リニューアル工事のため、8月下旬より長期休館に入ります。それに伴い、「アワーズもりや」3階に臨時窓口を開設。この窓口では、以下のサービスが利用できます。なお室内での滞在はできません。
◯ 資料の返却・延長貸出
◯ 予約資料の受け取りなど
親子ふれあいルームの小学生利用が拡張
「守谷駅前親子ふれあいルーム」の小学生の居場所が拡張されます。開始は9月1日(月)から、事業内容は以下の予定です。
◯ 小学生向けのテナント追加(卓球台、図書スペース、自習スペースなど)
◯ 利用時間は13:00~18:00
守谷駅東口エリアの充実にむけて
守谷駅東口エリアには、かねてより要望のあった「図書機能」と近年の人口増で必要性が高まる「子どもたちの居場所」の少なくとも2つの課題があります。今回の2つの施策は、こうした課題に応えるための、「第一歩」です。施設が活発に利用され、そこから寄せられる利用者の声や利用実績が、これからの守谷駅東口周辺の施策を検討する上で重要データになります。そのためにも積極的に利用されることが期待されます。
夏休みスペシャル企画
デジタル民主主義を体験!テクノロジーで政治をより身近で開かれたものにする「デジタル民主主義」という取り組みが注目されています。そこでこの夏、最新のデジタル民主主義ツール(※1)を活用したプロジェクトを始めます。これは、皆さんからお寄せいただいた多様な声をAIが整理しいわば「意見の全体像」を見える化する試みです。
今回のテーマは、誰もが参加しやすいお題として「ブランチ守谷の“のびしろ”」としました。前向きな「アイディア」はもちろん、「ここが少し不便だ」「もっとこうだったら良いのに」といった声も、より良くなるための「のびしろ」です。AIがより有意義な「意見の全体像」を可視化するためには、多くの声が必要です。よければ一緒に参加をして盛り上げてください(^o^
参加方法
お題
「ブランチ守谷の ”のびしろ”」
① あなたの意見(匿名)を投稿
期間:7月30日(水)~8月20日(水)
② 「意見の全体像」を公開
予定日:8月22日(金)
デジタル民主主義の可能性をさぐる
今回のプロジェクトで描く「意見の全体像」は、皆さんと共有するとともに、守谷市の担当課にも提出できたらと考えています。この取り組みを通じて、デジタル民主主義の可能性をともに体験できれば幸いです。将来的には、「より多くの人の声を聞くための手段」として、また「意思決定を補助するツール」として、守谷のまちづくりに活かせる日を期待しています。
※1「広聴AI」というデジタル民主主義2030プロジェクトによって公開されたオープンソースを利用します。渋谷区では区民から寄せられた声(約6千件)を対象に、このツールで可視化した結果を2025年7月に公開しました。
編集後記
まちづくりを考えることは、
お医者さんに似ていると思いました。
良くなるための処方を考える、という意味です。
正しい処方をするには
まちを広く深く理解すること、
良く話を聴くこと、未来を勉強すること、でしょうか。
次号の「水車報」は11月1日(土)を予定しています。
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