守谷市の公共交通(モコバス)について|令和6年 12月議会(一般質問)

要約

初質問で公共交通を質疑。理想は「誰もが使えるモコバスの市内全域カバー」とし、現予算内で利便性を下げてもカバー率を最優先する運行を提案。市は運転手不足を課題としつつ、令和7年度にルート再編を協議すると回答。市長は白ナンバー活用なども視野に、実証実験を進めたいと述べた。

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実好

私にとって初めての一般質問は、「守谷市の公共交通のサービス水準の進捗」について、1項目になります。では、質問に移ります。令和5年3月に策定された守谷市地域公共交通計画を見ますと、令和6年度は、サービス水準の見直しの検討期間となっております。これを踏まえてお尋ねいたします。今後、デマンド乗合交通とモコバスのどちらを重点的にお考えでしょうか。

執行部

市としましては、現在の公共交通全体を考える必要がございますので、モコバスもしくはデマンド乗合交通のどちらか一方に重点を置いて進めていくような考えではございません。市内の公共交通全体を見ながら、どちらの交通も充実させる必要があると考えております。

実好

現在のモコバスは、ルート数にバスの台数は2台ですが、現在に至るまでの経緯を教えていただけますでしょうか。

執行部

モコバスの運行についてですが、平成21年8月1日より運行しております。その際ですが、2ルート4路線を6台で運行を開始しております。平成25年度にルートの変更を行いまして、3ルート6路線を6台で運行しておりました。令和元年度に実証実験として現在の2ルート2台運行となり、令和2年度より本運行として現在に至ります。

実好

令和6年度の守谷市事業評価にて予算上限の年額9,000万円を撤廃しましたが、今後、以前のようにモコバスが守谷市全域をカバーできるようなルート編成及びバスの台数の見直しはお考えでしょうか。

執行部

平成24年度になりますが、市議会重点事業評価の事業に対する提案を受けまして、令和元年度に市内の公共交通を再編した際、モコバスを現在の2ルートとしまして、65歳以上などの要件はございますが、モコバスの補完や高齢者の方の移動手段を確保するための公共交通として、デマンド乗合交通の運行を開始した経緯でございます。現状では、限られた予算の中で、バスの増車はせずに利用状況やニーズ応じた運行経路の変更等ができないか、検討を行ってまいりました。しかしながら、先ほど議員からもありましたように、令和6年度の市議会事業評価に係る提言として、社会的情勢の変化に対応する公共交通の充実を図り、効率的な運営を望むとした提案をお受けしましたので、前回の公共交通の再編から5年が経過しております現在の課題や御意見等を踏まえた再編が、必要であるのではないかと認識をしているところでございます。令和7年度には守谷市地域公共交通活性化協議会において、運転手不足という大きな課題はございますが、バスが通っていない地域をどうカバーできるかを含めて、ルート編成の協議を行うとともに、再編に向けた予算の確保も考慮しながら検討を行ってまいりたいと考えております。

実好

バス事業者業界では、運転手の人手不足という大きな社会問題がありますが、守谷市ではこの運転手の確保に向けて、どのように対応していくお考えでしょうか。

執行部

運転手の件についてでございますが、昨年度の路線バスの減便を伴うダイヤ改正の際、バス事業者と協議した中で、運転手不足が大きな課題であり、不本意であるが減便をせざるを得ない状況であるとのことでございました。また、本年度も今後の見通しを伺ったところでございますが、運転手の労働環境を改善するための基準が今年4月に改正されたことが大きな要因となりまして、運転手の確保について事業者側でも雇用面の様々な優遇措置を設けるなどして対応しているところですが、十分な人数を確保できていない状況とのことでございます。市としましては、現状の公共交通の確保、それから今後の再編にあたり、運転手問題は避けては通れない問題でございますので、運転手の成り手をどうやって増やしていけるか等の方策等について、事業者と協力しながら考えていかなければならないと思っております。また、公共交通事業者のみでなく、類似する運転業務を行っている事業者が行える範囲等について、こちらも調査した上で、新たな交通手段も考えていかなければならないと思っているところでございます。

実好

ありがとうございました。特に、運転手確保への取組については、答弁にありましたように、新たな公共交通事業カテゴリーで運転手不足解消に向けた有効な対策が見いだされることを願っております。

実好

次に、最後の項目に移ります。最後の項目は、守谷市の公共交通サービスの在り方についてです。  まず、私が一番お伝えしたいことを述べます。私が考える守谷市の公共交通の理想の姿は、誰もが利用できるモコバスで守谷市内全域をカバーすることです。度々耳にする、モコバスがカバーし切れない地域をデマンド乗合交通で補完するという考え方がありますが、デマンド乗合交通は65歳以上に利用が限定されており、誰もが利用できる公共交通とは言えません。本来、公共交通とは年齢や属性に関係なく、全ての市民が平等に利用できるものであるべきです。しかし、先ほどの答弁でいただいたとおり、誰もが利用できる公共交通のモコバスで市内全域をカバーするためには、予算の問題に加え、運転手不足という大きな社会的課題があります。それを踏まえ、一つの提案をさせていただきます。現在の公共交通予算を維持したまま、つまりモコバスの台数や運転手数を維持したまま、守谷市内全域を今以上にカバーできる運行パターンの検討を加えていただけないでしょうか。もちろん、この提案では、現在のモコバス利用者の利便性が低下する可能性は承知しております。しかし、それでもカバー率を最優先の目標数値、いわゆるKPIに据えることを検討していただきたいと思います。バス停が遠い、便数を増やしてほしいという利用者の声がある一方で、午前中に2本だけでもいいからバスを通してほしい。私たちがバスに合わせるからといった声も事実として存在します。カバー率の向上で私が期待する効果は、市民の社会参加の促進、健康増進、あるいは安心感といった、目には見えにくい、数値化しづらい部分での効果です。そして、守谷市民にとって、守谷での生活がよりよいものになることを願っています。最後になりますが、市長にお尋ねして、私の一般質問を終えます。冒頭でも述べたとおり、私が思う守谷市の公共交通の理想は、誰もが利用できる公共交通で守谷市全域をカバーすることです。松丸市長が考える守谷市の公共交通の在り方について、お聞かせ願えますでしょうか。

松丸市長

ありがとうございます。実好議員の当選のお祝いを申し上げたいというふうに思いますし、これから守谷市の将来をどうしていくかということをしっかりと考えていただけるという意味においては、若い力が非常に大切だというふうに思っておりますので、今後とも御健闘をお祈りしたいというふうに思います。  今の実好議員のほうからお話がありましたように、理想的には、やはり公共交通というのは、誰もがある意味では平等に使えるような環境を整えるということが行政の役割なんだろうというふうに思っておりますし、それを経過の中でお話をさせていただきましたけれども、最初やまゆり号という、どちらかというと福祉バスを回させていただいた。そういう中で、議会のほうでも見ていて、実証、我々も実際に乗ったりして、昼間ほとんど利用されていないというようなことで、空気を運んでいるバスだみたいなお話がございました。そういう中で、当時、議会としてどうするべきかというお話をさせていただいて、やはり6台を回していくということには、非常に無理があるんだろうというようなことで、重要なルートに限って、今2ルートで回していただいているというようなことだろうというふうに思います。  ただ、当時もですが、守谷市というのは割かし自家用車の所有率というか、それが非常に高いということもございます。1人1台くらい持っているということもございますので、どうしても昼間、もしくは若い世代の方は自分の車で行ってしまうというようなこともございましたので、デマンド乗合交通を導入する際には高齢者、免許返納者に対応して、特にやはり弱者をどういうふうにサポートするかというような意味合いもあって、デマンド乗合交通を導入させていただいたというような経緯もございます。また、一人一人の需要にあってどうするかというようなことで、みずき野地区では、やはりまちづくり協議会の中で買物の支援をしていただけるというようなことがあったものですから、車、それまで自家用車を使っていた部分を市のほうから車を貸与させていただいて、それで買物支援ということをしていただいているような経緯もございます。  そういうふうに、いろいろな地域で、それぞれの特性がある中での交通難民をどういうふうに救っていくかというようなこともございますし、先ほど次長のほうからもお話ありましたように、ある意味では青ナンバーだけではなくて、やはり白ナンバーも含めた中で、何らかのそういう交通難民を救っていくような対応ができないかどうかということをやはり考える時期に来ているんだろうなというふうに思っております。  今、民間の事業者のほうで、当然黒字だから営業しているわけでございますけれども、赤字を覚悟で、逆に言うと、赤字の幅がどの程度なのかということも検討しながら、そういう交通難民に対しての対応策を練っていかなければいけない時期に来ているんだろうというふうに思います。  公共交通活性化協議会という、ある意味では役所とは違った組織で、公共交通のモコバスであったり、デマンド乗合交通であったりということを協議、運営をしているわけでございますけれども、行政としても、福祉的な意味合いの中での公共交通といいますか、移動手段の確保ということはしっかりと対応していかなければいけないんだろうというふうに思います。それもこれも、実際にやはり一度貸し出してみるとか、一度実証実験をしていきながら、その結果を踏まえた次のステップということがあるんだろうというふうに思いますので、その実証的なものは、できるだけ早急に対応してやってみて、その結果を見て、次のステップに移ってまいりたいというふうに思っております。

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